【徹底比較】電子契約書の管理にはクラウド?オンプレミス?どちらがいい

電子契約の導入を決めた際、紙文書の管理を行うツールとして、クラウドとオンプレミスのどちらを選択すべきでしょう? コスト面やその後の管理を行う手間を考えると、どちらもメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが優れているとはいえません。そこで、自社の状況に応じて最適な選択をするためのポイントについて、それぞれの概要、特徴を見たうえでお伝えします。
クラウドとは
電子契約書の管理でクラウドを使うのか、オンプレミスを使うのか、どちらにしろ、それぞれの仕組みやメリット、デメリットを知らなければなりません。まずはクラウドについてお伝えします。
クラウドの仕組み
クラウドはインターネットが普及し、回線速度が向上したことで生まれたサービスです。社内のサーバーやパソコンにソフトをインストールするのではなく、インターネットにアクセスし、ブラウザ上でソフトを扱います。
代表的なものとしては、GmailやYahoo!メールのようなメールシステム、DropboxやOneDriveのようなクラウドストレージが挙げられます。
クラウドのメリット
クラウドを利用するメリットは大きく3つあります。具体的には次のとおりです。
・コスト削減効果
クラウドは、オンプレミスに比べ初期導入費用がほとんどかかりません。また、システム構築や運用管理のための人員を割く必要がないため、人件費の削減効果もあります。
・テレワークでの使い勝手
クラウドサービスはブラウザさえあれば、オフィス以外からでもアクセス可能です。そのため、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにテレワークを導入した企業でも、自宅から管理ができ、業務効率化に大きく貢献します。
オンプレミスでもVPNを使って自宅からオフィスのサーバーにアクセスすることはできますが、手軽さの面でクラウドのほうがメリットは大きいといえるでしょう。
・セキュリティ
従来、クラウドはセキュリティ面でリスクが高いといわれていました。しかし、現在では多くのクラウドサービスでセキュリティ面が強化されているため、オンプレミスで自社管理するよりも安心して使えるケースも少なくありません。
ただし、サービスによっては、現在でもセキュリティ面で不安なものもあるため、選択時には十分な検討が必須です。
クラウドのデメリット
続いてクラウドを利用する際のデメリットです。
・カスタマイズ性が低い
共有サーバーか独自サーバーかによっても異なりますが、基本的にオンプレミスに比べ、カスタマイズ性が低く、自社に必要な機能だけの利用はできない場合があります。
・サービス終了のリスク
他社のサービスを利用するため、自社の都合に関係なくサービスが終了してしまう場合があります。
オンプレミスとは
次にオンプレミスについて、仕組みとメリット、デメリットをお伝えします。
オンプレミスの仕組み
オンプレミスとは、自社のサーバーやパソコンにソフトをインストールし、社内で運用管理をする仕組みです。インターネットが普及する以前は、多くの企業でオンプレミスが主流でした。もちろん、現在でも利用するサービスによっては、クラウドよりもオンプレミスが使われるケースも少なくありません。
オンプレミスのメリット
オンプレミス最大のメリットは、完全オーダーメイドで自社の目的に合わせ最適なシステム構築が可能な点です。また、社内のサーバーで運用管理を行うため、万が一の際でも、すぐに確認、修繕が可能です。
オンプレミスのデメリット
オンプレミスを利用するデメリットはクラウドに比べコストが高い点です。また、契約後すぐに使えるクラウドに対し、オンプレミスはシステム構築に時間がかかることも、スピードが重要な現在のビジネスにおいてはデメリットといえるでしょう。
クラウドとオンプレミスの特長について
ここまで、クラウドとオンプレミス、それぞれの仕組みやメリット、デメリットを見てきました。では、実際に電子契約を導入する際、どちらを選択すべきなのでしょう。
クラウドの特長
コスト面や導入スピードの速さから、できるだけ、安くすぐに電子契約を開始したい場合には、クラウドの利用がおすすめです。それほど多くの機能を必要としない、今後、テレワークの導入を検討している場合もクラウドを選択したほうがメリットが多くなるでしょう。
オンプレミスの特長
さまざまなフォーマットへの対応、毎月の使用量が多いといった場合はオンプレミスがおすすめです。長期的な視点で見ればクラウドよりもコストを抑えられる場合もあります。ただし、社内に運用管理を行える社員がいない場合は、やはりコストは高くなります。
まとめ
クラウド、オンプレミスどちらを選択するかは、自社の電子契約の利用量や使いたい機能があるかどうかによって大きく変わります。そのため、クラウド、オンプレミスそれぞれの仕組みやメリット、デメリットを把握したうえで、自社ではどういった使い方をしたいのかを明確にすることが、最適なシステム選択のポイントといえるでしょう。
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