テレワーク定着促進助成金とは?

新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入する企業も多いと思いますが、テレワークの導入には意外と費用がかかるものです。例えば既存の勤怠管理システムでは在宅ワークを行う労働者の労働時間を適切に管理できなかったり、セキュリティを意識してVPNを導入する必要が出てきたりするのです。今回はそのようなテレワークの導入費用の負担を少なくするテレワーク定着促進助成金についてご紹介していきます。
テレワーク定着促進助成金とは
テレワーク定着促進助成金とは、東京しごと財団がテレワーク導入を行う都内の中小企業向けに、250万円を上限としてテレワーク導入にかかった費用の3分の2を負担してもらうことができる制度です。助成金は返済不要の費用になりますので、もし都内の会社がテレワークの導入を検討している場合は活用しない手はないでしょう。
申請条件
申請条件は、東京都内の以下の要件を満たす企業となっています。
・常時雇用する労働者(派遣労働者を除く)が999人以下
・東京都内に勤務する常時雇用の労働者が2名以上いる
・都税の未納がない
・過去5年以内に重大な法令違反がない
・労働関係の法令に違反していない
・風俗営業を行っていない
・暴力団関係者が所属していない
・就業規則を作成しており、労働基準監督署に届け出を行なっている
・本制度を利用したことがない
・東京都の実施する2020TDM推進プロジェクトに参加している
助成金の額
本助成金は補助金のような形式がとられたものです。助成額はテレワークの導入にあたって、使用した経費の2/3の額が助成されます。また、本制度の助成額の上限は250万円です。
具体例を挙げると、テレワークの導入に100万円をかけた場合は約66万円が支給されることになります。ただし250万円が上限となるため、対象経費が1,000万円であったとしても、250万円しか支給されることはないので注意が必要です。
受給条件
助成金を受給するためには、申請条件を満たしたうえで令和2年8月24日~令和2年12月25日までに申請を行い、支給決定日から3カ月以内にテレワーク実施対象者全員に6回以上のテレワーク勤務を実施させる必要があります。
テレワーク定着促進助成金の申請方法とは
本制度の申請は、申請書類を揃えて書類を郵送にて送付することで完了します。
申請に必要な書類
助成金の申請に必要な書類は下記のとおりです。
申請書類の名称 | 備考 |
事業計画書 兼 支給申請書 | 公式ページ(https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/2-teichaku.html)から書式をダウンロードすることができます。 |
事業所一覧 | 同上 |
誓約書 | 同上 |
労働者2名分の雇用保険被保険者資格取得等確認通知書 | うち1名分については労働契約書、労働条件通知書でも可 |
就業規則一式 | 労働基準監督署の届出印があるもの |
会社案内や会社概要 | HPのページの写しなどでも可能です |
商業・法人登記簿謄本 | 発行日から3カ月以内のもの |
水道光熱費の領収書、賃貸借契約書等 | 実態のある会社であることを証明する目的です。 |
印鑑登録証明書 | |
法人都民税・法人事業税の納税証明書
個人都民税、個人事業税の納税証明書 |
|
「2020TDM 推進プロジェクト」への参加に関する資料 | 登録完了メールの写しでも可 |
テレワーク環境構築図 | |
見積書、相見積書 | 1社あたりの契約に30万円を超えるものがあれば、相見積を取ってその見積書も提出する必要があります。 |
導入製品等の資料 |
申請の方法
上記の書類を準備したうえで、書類を郵送によって送付します。新型コロナウイルス感染防止対策として、持参提出は受け付けておりませんので注意してください。また、本助成金は厚生労働省の助成金とは異なり、社会保険労務士に申請代行を依頼することはできませんので注意が必要です。
書類の郵送先は下記のとおりです。
公益財団法人東京しごと財団 雇用環境整備課 職場環境整備担当係
〒101-0065 千代田区西神田3-2-1 住友不動産千代田ファーストビル南館5階
助成事業の流れとは
助成金を受給するまでには、以下のような流れとなります。
- 支給申請書類作成
- 申請書類の郵送
- 審査
- 支給決定通知書
- 助成事業の実施(テレワークの導入)
- テレワーク実施の報告書作成
- 報告書および書類提出(領収書等)
- 審査
- 助成額確定通知
- 助成金請求書提出
- 助成金の振り込み
なお、申請時に申請要件を満たしていなかったり、テレワーク導入の実施が確認できなかったりした場合は審査の段階で落ちてしまい、受給することができなくなります。事前に申請要件を満たしているかどうかについては念入りに確認しておくようにしましょう。
まとめ
今回はテレワーク導入時に活用することができるテレワーク定着促進助成金制度についてご紹介してきました。新型コロナの影響で経済的な負担が増えている企業にとってはありがたい制度ですが、不正受給などが発覚すると他の助成金も利用できなくなるなどのペナルティもあるため、くれぐれも制度の内容と意図に則した範囲で利用するようにしましょう。
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