事業継続緊急対策助成金ってどこまでが対象?

世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス。そのなかで多くの企業がこれまでの業務形態からの変革が求められています。そこで、今回は都内中堅、中小企業の業務変革を助成する事業継続緊急対策助成金を紹介します。
事業継続緊急対策助成金とは?
事業継続緊急対策助成金とはどういった助成金なのでしょう。ここではまず、その概要、申請資格、受付期間などの基本的な情報を説明します。
事業継続緊急対策助成金の概要
新型コロナウイルスの感染拡大の防止対策のなかでも重要なポイントとなるのが、「密閉」「密集」「密接」のいわゆる3密の回避です。これを受け、多くの企業で導入が進んだのがテレワーク。しかし、テレワークの導入にはさまざまなコストが発生します。
そこで、東京都では、都内の中堅・中小企業が新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための施策としてテレワークを導入する際、必要となる機器やソフトウェアの経費を助成することを2020年3月5日に決定しました。これが事業継続緊急対策助成金です。
事業継続緊急対策助成金の申請資格
この事業継続緊急対策助成金を受給するには、公益財団法人東京しごと財団雇用環境整備課に対し、申請を行う必要がありますが、その主な資格は次のとおりです。
- 常時雇用する労働者が2名以上、999名以下
- 都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業
- 東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」への参加
事業継続緊急対策助成金の申請方法・受付期間
事業継続緊急対策助成金の申請は、インターネット上から行うことはできず、必ず郵送で行わなくてはなりません。申請の受付期間は2020年3月6日~7月31日で、助成事業の実施期間は9月30日でしたが、パソコン等機器の欠品状況を踏まえ、12月31日までに延期されています。同様に実績報告書類の提出も11月2日から2021年2月1日に延期されています。
このように、今年度の申請受付はすでに終了しています。ただし、テレワーク導入にかかわる助成はほかに「テレワーク導入促進整備補助金」や「テレワーク活用・働く女性応援助成金」などがあります。
※どちらも東京都の支援制度
助成対象になるものは?
ひと口にテレワークといっても、その導入には機器やソフトウェア、環境設定などさまざまなコストがかかります。ここでは、事業継続緊急対策助成金の対象となるものを説明します。
事業継続緊急対策助成金の助成対象となるものと具体的な費用例
事業継続緊急対策助成金の助成対象となるのは、次の6点です。
- 機器等の購入
パソコンやタブレットのほか、VPNルーターなどを購入する費用
- 機器の設置・設定費
VPNルーターやWi-Fiルーターなどの設置、設定にかかる作業費
- 保守委託等の業務委託料
購入した機器の保守にかかる費用
- 導入機器等の導入時運用サポート費
社内でテレワーク用に購入した機器の操作説明マニュアルを作成する際にかかる費用
- 機器のリース料
パソコンやルーターなどをリースする際にかかるリース料
- クラウドサービス等ツール利用料
オフィスにいる社員とコミュニケーションを図るためのグループウェアやスケジュール管理ツールなどをクラウドサービスで利用する際の利用料
事業継続緊急対策助成金の助成対象外になるもの
企業としてテレワークを導入するには、前項で挙げたもの以外でも必要な機器があります。しかし、そのすべてが助成の対象になるわけではありません。そこで、ここでは事業継続緊急対策助成金の助成対象外になるもののなかでも主なものを紹介します。
- タブレットで活用するタッチペンやタブレットペンシル
- タブレットやスマートフォンを保護するためのカバー、充電器
- プロジェクター、プリンターのトナー
- 購入した機器の送料
- データのバックアップに使うHDやSSD
- リモートアクセス先となるオフィスに設置するためのパソコン
助成金の上限金額はいくらまで?
ここまで、事業継続緊急対策助成金の申請資格、方法、助成対象や対象外になるものを見てきました。次は実際に助成を受ける際の限度額、助成率や上限金額について説明します。
事業継続緊急対策助成金の限度額は250万円で、助成率は10/10。つまり、250万円以内であれば、全額助成となります。
事業継続緊急対策助成金の上限金額と注意点
250万円までは全額助成となりますが、機器一つひとつの下限・上限金額が決められています。下限は1,000円で上限は10万円未満です。これ以下、以上の機器の購入にかんしては、助成対象外となります。
また、注意点として、助成が決定した後に購入予定の機器が欠品により代替品を購入する際、税込単価で10万円を超えるものの場合、全額助成対象外となります。
例えば、元々は9万円(税込)のタブレットを購入予定だったものの、欠品により13万円(税込)のタブレットを代替品として購入したとします。この際、13万円のうち10万円だけ助成されるのではなく、13万円すべてが助成対象外です。
まとめ
感染症対策はもちろん、国が主導となって進めている働き方改革においても、テレワークは重要な施策の一つです。そうした意味でも、テレワークの準備を怠らず、助成金も活用してそれぞれの状況に合わせたテレワーク導入を実現しましょう。
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