【すぐに解決!】テレワークの導入方法とは?

テレワークの導入率とは?
現状、どれくらいの企業がテレワークを導入しているのか、2020年5月に「カオナビHRテクノロジー総研」が実施した「リモートワーク実態調査レポート」(https://ri.kaonavi.jp/20200526/)を参考に確認してみましょう。
全国では35.5%
全国のテレワーク導入率は、
・毎日リモートワーク:17.4%
・週に2~3日出社し、その他はリモートワーク:18.1%
ということで合計35.5%という結果になっています。逆に、「毎日出社」という方は58.5%ということで、全国的に見るとまだ未導入の企業のほうが多いのが現状です。
なお、都道府県単位で見てみると東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県の首都圏が52.2%と突出している反面、それ以外の地域においては半数以上の方が毎日出社している状況となっています。
IT系企業の導入率が高い
業種によっても、テレワークの導入率は大きく異なります。
・IT、インターネット:68.4%
・金融:50.5%
・通信、インフラ:44.8%
・流通:25.3%
・小売、外食:22.8%
特にIT、インターネット系の業種では「毎日リモートワーク」が52.0%となっており、圧倒的な導入率といえるでしょう。一方、現場で顧客と対面する小売や流通においてはテレワークの導入率が低くなっています。
また、職種別で見てみると、
・営業職:51.6%
・事務系管理職:46.5%
・事務職、技術系事務職:44.4%
・販売、サービス:13.6%
・工場などの生産職:5.5%
・ドライバー:4.7%
ということで、やはりホワイトカラー系の職種における導入率が高い結果です。
中小企業ではまだまだ未実施のところも多い
企業の規模別(従業員数)での導入率に関しては、
・5,000人以上:49.4%
・1,000~2,999人:38.5%
・100~499人:29.5%
・50~99人:28.1%
・10~49人:23.3%
となっており、従業員数が多い企業ほどテレワークの導入率が高い結果です。テレワークと言えばベンチャーや中小企業のイメージが強いのですが、調査では大企業の導入率のほうが高い結果となっています。
テレワークの導入方法
総務省の「テレワーク導入手順書」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000668432.pdf)に規定されている、テレワーク導入プロセスについて説明します。
導入目的と利用範囲の明確化
まずテレワークを導入する目的を明確化しましょう。事業継続やコストカット、生産性向上といったような目的の中で、プライオリティを決めておくとツールの選定がしやすくなります。目的が決まったらテレワークを導入する部署や担当者を、事務職や営業職など職種別ではなく、契約業務や事務作業といった日々の業務単位で選別しましょう。このとき、現状の業務状態をきちんと把握しておくことで、導入後の効果測定がしやすくなります。
導入計画の策定と実施環境の整備
テレワークの目的が決まったら、導入計画を策定します。なお、導入計画に必要な項目は以下の通りです。
・制度、ルールの確認
・テレワーク環境構築
・テレワーク実施者、関係者に対する研修、セミナー開催
・効果検証
・継続計画の策定と報告
上記項目ごとに、実施スケジュールへ落とし込みます。
導入計画が策定できたら、制度やルールの策定と実施環境の整備が必要です。テレワークの実施頻度や業務形態、Web会議ツールの選定やICT環境の整備など多岐に渡るため、人事、総務だけでなくシステム担当者も含めた社内横断的なプロジェクトで進める必要があります。
説明会の実施とテスト運用後本導入
テレワークを実際に実施する担当者とその上司や同僚などに、テレワークの目的や制度内容、ツールの使用方法などについて説明会や研修を行います。そのうえで、一定期間テスト運用を行い、本導入に向けた課題抽出を行いましょう。従来の働きかたとの並行運用や未導入部門とのバランスもありますので、可能であれば3ヶ月~6ヶ月程度の期間はテスト運用を行うべきです。また、本導入後も定期的に運用状況を評価して、課題がある場合は改善していくようにしましょう。
テレワークの導入時のポイント
テレワークを導入する場合は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。
セキュアな環境構築が必須
テレワークを行う従業員の自宅やカフェなどは、オフィスのようにセキュアな環境ではない場合がほとんどでしょう。そのため、従業員が利用するノートPCやタブレットなどに定期的なパスワード更新を行う運用を実施するとともに、HDパスワードの設定やVPN接続できる環境の準備も必要です。また、街中のフリーWi-Fiにむやみに接続しないといった、従業員のリテラシー教育も重要になります。
従業員側に発生する経費の取り決め
テレワークを自宅で行う場合には、電気代やネットの通信費といった費用が発生します。また、場合によってはプリンターや机、椅子などの購入も必要になるでしょう。テレワークで発生する費用については経費扱いになるケースが多いのですが、会社によって規定が異なりますので、どちらが負担するのか実施前にしっかりと取り決めておきましょう。
各種助成金の有効活用
新型コロナウイルスの影響もあり国や自治体によるテレワーク関連の各種助成金が準備されていますので、利用できるものがないか確認しておきましょう。特に、中小企業向けには「時間外労働等改善助成金」や「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」をはじめ利用しやすいものが多いので、ぜひ有効活用したいところです。
まとめ
テレワークの導入は今後ますます増加していくものと予想されますので、まだ導入していない場合は早めに導入準備に取りかかることをおすすめします。「取引先の企業はすべてテレワークなのにウチはまだ……」といった状況にならないためにも、この機会にぜひテレワークによる業務効率化を検討してみてはいかがでしょうか。
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